全国消団連、意見書再び 機能性表示 「状況の改善図られていない」(2015.12.7)
今年5月に機能性表示食品制度の課題点を指摘し、改善を求める意見書を国や業界団体に提出していた全国消費者団体連絡会は、11月30日までに消費者庁長官などに対して同様の趣旨の意見書を再度提出、ホームページで公開した。「状況の改善が図られることなく進行し続けている」などと指摘している。
意見書の趣旨は、「消費者被害や不利益の発生を防ぐため」。前回も同様だった。
その上で今回の意見書では、新たに、制度の施行状況を検証し必要な措置を検討する場を設けるよう要求。また、生鮮食品の届出が行われたのを受け、「『骨の健康に役立つ』という情報だけが独り歩きする」可能性に懸念を示すなどとした上で、消費者にバランスのとれた食生活の推進を周知するよう求めた。
制度施行状況の検証と必要措置を検討する場を設ける必要性については、「機能性の根拠が非常に弱いと考えられるものや、安全性に疑問があるもの」があるため「全体に不信感を抱かざるを得ない」などと理由を説明。そのため、届出受理後に制度の目的に沿って販売されたり、消費者に利用されたりしているかの検証が「不可欠な状況」だとしている。
機能性表示食品制度は、施行後2年を目途に施行状況を検討し、必要な措置を講じるとされていた。一方、公式発表はいまのところないが、消費者庁は今月中にも、制度の積み残し検討課題などに関する検討会を設置、議論を始めるとみられる。
検討会の立ち上げ観測は10月後半から強まっていた。その中で出された今回の意見書は、検討会での検討課題に、消団連の意見を盛り込むように釘を刺したものとも考えられる。全国消団連の河野康子事務局長は、制度創設時の検討会委員を務めていた。