取消権や事前参入規制など見送る 特商法報告書案(2015.12.14)

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 特定商取引法の見直しを議論している消費者委員会の特定商取引法専門調査会は14日、同調査会報告書案について意見を交わした。報告書案は、消費者白書やこれまでに調査会に提出された消費者被害や相談件数などを示して現状について説明したうえで、特定商取引法見直しの基本的な視点や措置すべき具体的な事項を整理した。

 措置すべき具体的な事項では、指定権利制の見直しや外国通貨の両替を「商品の販売」と同様に扱うことを挙げた。勧誘規制では法執行の強化による抑止力の確保、悪質事業者対応のため、消費者行政部門と警察当局との連携、日本訪問販売協会、日本通信販売協会など自主規制団体と関係機関との連携を挙げた。このほか、現行では1年間が最長の業務停止命令をより長期間にするなどの執行強化について、措置が講じられることが期待されるとした。

 個別取引分野では、FAX広告に対する一定の規制や、美容医療サービスを規制対象とし、具体的な対象役務等を列挙すること、電話勧誘販売に過料販売解除権を導入するべきとした。一方で虚偽・誇大広告の取消権導入は見送り、執行状況などを踏まえ必要に応じ検討が行われることが期待されるとの表現にまとめた。事前参入規制の導入も意見一致に至らなかったとして見送った。

【写真=後藤巻則座長。消費者委の特定商取引法専門調査会は報告書の取りまとめに入った(14日、東京・千代田区)】

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