魚油摂取で脂肪燃焼細胞が増加 京大・河田教授らマウスで確認(2015.12.21)


 京都大学農学研究科・河田照雄教授、後藤剛准教授らの研究チームは18日、EPA、DHAを主成分とする魚油の摂取が交感神経を介して脂肪燃焼組織である褐色脂肪細胞を増やし、体脂肪の減少や体温上昇を促すことをマウス実験で明らかにした。同研究成果は17日に英国科学誌「サイエンティフィック・リポート」オンライン版で公開された。

 世界的な疫学研究で過体重の抑制に魚油が効果のあることは報告されていたが、詳細な作用機序は明らかにされていなかった。研究チームでは、消化管の感覚神経に存在するイオンチャネル(TRPV1)に摂取した魚油が作用することで交感神経の穏やかな活性化をもたらし、脂肪組織でのノルアドレナリンの放出が増加し脂肪組織の褐色化が引き起こされ、その褐色様脂肪組織が増えることでエネルギー(体脂肪)の消費が促進されることを見出した。

 研究チームらは今後、「油脂やその他の食品成分について、特にメタボリックシンドロームの改善が深く関わる健康寿命の延伸への機能に着目して研究を発展させていく」としている。


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