スマート乳酸菌 供給増 丸善製薬、死菌型が好調(2015.12.10)
丸善製薬が製造販売する植物性乳酸菌「スマート乳酸菌」(登録商標)の供給量が伸びている。化粧品メーカー大手や有力ダイエット健康食品販売企業などが、昨年末から今年初頭にかけて配合商品を相次いで発売したためだ。広告宣伝を積極的に行っている先も見られることから、需要が順調に増えている。
同素材は、漬物から分離・同定した「ラクトバチルス・プランタラム22A‐3株」を粉末化した同社独自のプロバイオティクス原料。植物抽出物以外にも対象領域を広げる目的で始めた「バイオ事業」の第一弾素材として開発、13年から販売を始めていた。
当初は生菌タイプのみだったが、昨年新たに死菌タイプを発売。これにより、最終製品の製造時に厳重な菌管理を要求されるという以前から抱えていた課題を解消、また「腸内フローラ」がテレビ番組で紹介され、乳酸菌などプロバイオティクスの関心が高まったことも受け、引き合いが顕著に活発化していた。
一方、ここにきて生菌タイプも引き合いが増えているという。今年10月に菓子メーカー大手が生菌型乳酸菌を配合したチョコレート菓子を発売、活発に宣伝していることが背景にあると同社では見ており、今後は生菌タイプも配合提案を強めていく計画だ。
スマート乳酸菌の生菌タイプには、タンナーゼ産生能力によってポリフェノール類の体内吸収率と機能性を高めるという、従来の乳酸菌にはない機能性を持つことが確認されている。