メディア対応、食品は足りない 健康食品フォーラム (2015.12.10)

健食フォーラム

 「第35回健康食品フォーラム」(医療経済研究・社会保険福祉協会主催)が11月30日に開催され、業界関係者など約180人が集まった。「健康食品のリスクについて考える」をテーマに、国立医薬品食品衛生研究所の畝山智香子氏、奈良県立医科大学の今村知明氏、毎日新聞東京本社の小島正美氏の講演とパネルディスカッションが行われた。

 畝山氏は「食品安全リスク分析からみた健康食品」で講演。食品は食経験に基づき食べられてきたが、平均寿命が80歳を超え、これほど長期の食経験、また人工透析など基礎疾患を抱えた人の食経験情報は乏しく、科学的なリスク分析で安全性を確保する必要があると唱えた。また、食品や健康食品は品質が統一されておらず、使用基準などで管理されている添加物や農薬に比べそのリスクは大きいと語り、品質管理や医薬品との相互作用など健康食品が抱える問題点の解決を訴えた。

 小島氏は食品問題に関する国内メディアの報道は市民からの共感、弱者への視点などが重視されると指摘。企業や業界はメディアに正しい知識を持ってもらう努力が必要だと語りメディア対応の強化を主張した。同氏は医薬品業界では企業、団体、学会が会見や記者セミナーを頻繁に開くが、食品関係は業者、団体ともその努力が足りないとも指摘した。

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