原産地表示拡大を検討 政府がTPP政策大綱(2015.12.10)


 政府は11月25日、TPP大綱(総合的なTPP関連政策大綱)を決定した。アベノミクスの「成長戦略の切り札」と位置づけるTPPだが、国内では農業をはじめ関係する団体、国民から懸念や不安の声が寄せられており、大綱に盛り込んだ政策の実現でこうした不安の払しょくを図る。

 分野別の施策では関税削減で影響が大きい農林水産業のほか、食品安全対策、知的財産をメインに挙げた。このうち食品安全についてはTPPにより食品の安全・安心が脅かされることはないが、今後、輸入食品の増加が見込まれることから、国際基準や科学的な根拠を踏まえ、リスクコミュニケーション推進も含めた必要な措置を適切に実施する。

 具体的には、現行では22食品群などが義務表示対象になっている原料原産地表示について、実行可能性を確保しつつ、拡大に向けた検討を行う。また、残留農薬や食品添加物等の審査体制を整備し、国際基準や科学的な根拠を踏まえた規格基準の設定を推進する。ほかにも適切な輸入食品の監視指導の実施などを挙げた。

 攻めの農林水産業の推進では、経営感覚に優れた担い手の育成や地域の強みを活かしたイノベーションの促進、高品質な国産農林水産物の輸出促進などの対策を行い、2020年に農林水産物・食品の輸出額を1兆円に拡大するという目標の前倒しを図る。

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