低所得世帯は野菜摂取少なく 国民健康・栄養調査(2015.12.24)
厚生労働省は9日、2014年国民健康・栄養調査の結果を公表した。健康や生活習慣を所得別に比較した結果、世帯所得が200万円未満は600万円以上の世帯に比べ肥満割合が男女とも有意に高く、特に男性の場合は38.8%(600万円以上世帯は25.6%)と10ポイント以上の差があった。習慣的な喫煙割合も男女とも高く、女性については3倍近い差があった。睡眠による休養が不十分、運動習慣のない割合は差がなかったが、歩数の平均値は200万円未満世帯が有意に少なかった。
このほか、食生活では野菜類や肉類の摂取量が少なく、逆に穀類の摂取は多かった。エネルギー摂取量も男女とも100㌔㌍前後少なかった。
所得の差は食品選択の際に重視する点にも違いが現れた。「おいしさ」「好み」は所得に関わらず男女とも5割を超え、所得が高くなるにつれて割合は高かった。一方、「栄養価」「安全性」も女性は所得に関わらずほぼ5割を超えたが、所得が低いほどその割合は低下した。逆に「特にない」は所得が低いほどが割合が高まった。
身体や疾病に関する状況については、20歳以上の肥満者(BMIが25㌔㌘/平方㍍以上)割合は男性28.7%、女性21.3%で、この10年では有意な変化はなかった。一方、女性のやせ(BMIが18.5㌔㌘/同未満)は10.4%でこの10年で有意に増加している。
糖尿病が強く疑われる者の割合は男性15.5%、女性9.8%で、前年(男性16.2%、女性9.2%)比で男性は減少、女性は増加だが、いずれも06年からは有意な変化はなかった。