制度運用状況に多用な見方 ガイドライン見直し要望も(2016.1.25)
22日に消費者庁が開いた「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」では、初会合だったこともあり、各委員が制度の運用状況に対する考えなどを思い思いに述べる場面も見られた。検討委員は今回、総勢17名の大所帯。
このうち厳しい見解を提示したのは、河野康子委員(全国消費者団体連絡会事務局長)、森田満樹委員(消費生活コンサルタント)ら。河野委員は、全国消団連が消費者庁などに対して昨年4月以降2回提出していた新制度に対する意見・要望書について、「現在に至っても確たる答えはいただけていない」と述べ、同庁の対応を批判。森田委員は、「判断(基準)が曖昧」だとして機能性表示食品の〝食経験〟に言及し、ガイドラインの見直しを要望した。
一方、「制度については一定の評価をすべき。いわゆる健康食品の中からエビデンスのあるものを抽出し、不明確なものとの差別化を明確に図っていく制度」だと述べたのは、迫和子委員(日本栄養士会専務理事)。しかし、届出制であることには「不安感というか不信感が伴う」と述べ、情報公開だけで信頼性を得られるのかと制度の根幹に疑問を示した。その中で機能性関与成分の対象範囲拡大を行うのは「時期尚早」だとも述べた。
また、合田幸広委員(国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)は、制度の運用状況について、「(機能性関与成分の)分析法が開示されていないのが非常に大きな問題点。誰も(品質を)チェックできない」などと指摘。その上で、機能性関与成分が明確でない天然物の取扱いを検討するにあたっては、「品質確保のために使用されている工程管理のための成分と、実際に機能性を持つ成分(の違い)について、よく議論をしなければならない」と述べた。そうした食品も制度の対象とするには、少なくとも、工程管理のための成分が明確で、かつその分析法が開示されている必要があるとの考えを示唆したものとも見られる。