えごま油、1製品で組成異なる 国センが商品テスト(2016.1.28)
国民生活センターは28日、健康油として人気が高いえごま油20製品の調査結果を発表した。このうち1製品は他の製品と脂肪酸組成が異なり、純粋なえごま油か疑わしいことが判明。また、製品ごとに色が大きく異なり、見た目では品質が分からないことや、酸化安定性が低く劣化しやすいことも明らかにした。
えごま油はn‐3系脂肪酸のαリノレン酸を豊富に含み、最近は量販店でも販売されている。国センによるとテレビで取り上げる機会が増えたこともあり、PIO‐NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)に寄せられた消費者相談は、2013年度の2件から14年度は14件、15年度は157件に急増。今回、消費者への情報提供の観点から調査を実施したという。
調査した20製品はいずれもインターネットやスーパーで購入。脂肪酸組成を分析したところ、日本食品標準成分表で脂肪酸全体の6割とされるαリノレン酸が1製品だけ3割強と大きく異なっていた。他の19製品はいずれも6割前後だった。一方、色は無色のものから黄色、赤色など銘柄によって異なり、見た目では脂肪酸組成の違いは判別できなかった。また、酸化安定性は他の食用植物油脂より低く、劣化しやすいことが明らかになった。
さらに、販売サイトの広告で、えごま油と関連性が十分とはいえない「血液がさらさら」「脳神経、体の巡りに」「生活習慣病予防やアレルギー対策に」などの表現があり、健康増進法や景品表示法で問題となる可能性があると指摘した。
なお、国センは、消費者庁に表示改善を要望するのと合わせ関係省庁などにも情報提供を行った。
【写真=今回調査したえごま油20製品】