食安委メッセージに疑問の声 「選択は自由なはず」(2016.2.1)
食品安全委員会は1月28日、昨年12月に公表した「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」に関連し、消費者を対象にした説明会を都内で開き、報道関係者を含めて約170名が聴講に訪れた。説明会では、「『健康食品』として販売されているからといって安全ということではない」など19のメッセージの概要を食安委事務局が丁寧に解説。また、およそ60分にわたる質疑応答も行われ、会場からは、「健康食品を摂るな」とも受け取れる同メッセージ対し、「何を食べるかは自由でいい。食品である限り規制は必要ない。個人が自由に判断すべき社会にしたい」などと、疑問を呈する意見も幾つか投げかけられた。
消費者が何を食べるかは自由だと意見した国立大学教員は、「消費者が賢くなれば、自然と(自分に)合うもの、安全なものを選ぶようになる」とも述べ、行政は健康食品を必要以上に規制するのではなく普及啓発や情報提供に力を入れるべきだと要望。また、「国に頼り続けていくと、自分で判断できない状態が続いてしまう。(国が)お墨付きを与えるわけでもなく、規制するのでもなく、個人の力になるべく任せたほうがいい」とも述べた。
消費生活に関連したアドバイスやコンサルティングに従事する女性は、「いま(健康食品を)使っている方にとっては、行動を否定することになる」と指摘。その上で、「むしろ、健康食品をどのように食生活の中で使うのが良いのか、健全なのかを示せれば」と述べ、〝否定〟に傾きがちな同委の姿勢に疑問を呈した。
ほかに、栄養士の養成に関わっているという男性から「有効性は議論しなかったのか」との質問も上がり、同委の姫田尚事務局長は、「食安委の仕事は食品の安全性の確保。有効性については消費者委員会や消費者庁に委ねたい」と答えた。
【写真=説明会会場となった食品安全委員会の会議室(1月28日、東京都港区)】