栄養成分の対象化に厳しい意見 機能性表示食品の関与成分検討(2016.2.18)


 消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」(寺本民生座長・帝京大学臨床研究センター長)の第2回会合が16日に開かれ、検討課題となっている①機能性関与成分における栄養成分の取扱い②機能性関与成分が明確でない食品の取扱い――について論点整理を行った。次回の事業者ヒアリングやその後の検討に活かす。

 同庁が予めまとめた論点を基に議論した。このうち、ミネラルやビタミンが対象になる栄養成分の取扱いでは、栄養成分を対象にする意義や安全性の確保、栄養機能食品以外の機能表示、国の関与について検討が進められた。

 委員からは、制度が先行する米国でビタミンやミネラルを配合した製品の有害事象報告が多いこと、厚生労働省の食事摂取基準で目標量や上限量が設定されている成分があり、過剰摂取など安全性の観点から慎重な検討を求める意見が多かった。ほかにも食育など国の栄養政策との整合性、一部の成分は栄養機能食品で機能性の表示が可能なことから、消費者が混乱するのではないかと懸念する意見もあった。

 これに対し事業者や流通関係の委員からは、消費者の知る権利や商品選択の機会の確保のため、有害情報収集システムの整備や基準の整備など十分な安全性を確保した上で栄養成分を制度に取り込むよう主張。米国の有害事象報告についても、因果関係の特定は困難であることや、多くは複合成分の製品であり、ビタミンやミネラル単体での有害作用報告は少ないと訴えた。

 ただ「栄養成分は食事で摂るべき」といった原則論を主張する委員は多く、着地点を見出すのは容易ではない。

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