小林製薬 グンゼの紅麹事業を譲受(2016.2.11)
小林製薬㈱(大阪市中央区)は1日、グンゼ㈱(大阪市北区)が30年以上研究・開発に携わってきた食品素材・紅麹に関する研究・販売事業を譲受する契約を締結したと発表した。京都・綾部市のグンゼ研究開発本部で同素材の研究開発に関わる6名のスタッフとともに、同所で紅麹素材を生産していた製造設備も小林に移される。事業譲受け日は5月31日を予定。事業取得額は非公表。
小林は、OTC医薬品をはじめとするヘルスケア領域を重点項目に事業の推進を掲げており、食品分野では「イージーファイバー」や、「杜仲茶」などのブランドを取得し事業を拡大させてきた。今回の紅麹事業の譲受で、これまでの原料の製造・販売事業は継続するとともに、同社が持つマーケティング力や販売力、研究開発力と、グンゼが蓄積してきた研究成果、製造技術を融合させ、同素材の多様性を活かした特定保健用食品などを含む食品分野での新たな価値を創出していく。
グンゼは中期経営計画でも発表している本業のアパレル事業に特化する。紅麹事業では、同素材が含有するGABAやモナコリンKなどの機能成分により血圧降下やコレステロール低下作用などが報告され、パンや菓子、麺類などの一般食品を中心にサプリメント用途でも採用されてきた。紅麹事業の直近の売上高は約1億円。