武田薬品 ヘルスケア事業を分社化(2016.2.11)


 武田薬品工業㈱が一般消費者向けヘルスケア事業を展開する100%出資子会社を新たに設立し、来年4月から営業を始める。一般用医薬品や健康食品の製造販売事業を手掛けるジャパンコンシューマーヘルスケアビジネスユニット(JCHBU)を分社化し、新会社に移管する。これにより、健康志向の高まりに伴い多様なニーズに迅速に対応できるようにする。3日に発表した。

 今年4月に新会社を設立した後、JCHBU事業を吸収分割により新会社に承継させる。営業開始は来年4月を予定しており、大阪府大阪市を拠点にする。

 JCHBU事業の主力商品は「アリナミン」「ベンザ」をはじめとする一般用医薬品。健康食品に関しては微細藻類ユーグレナを配合した「緑の習慣」を2014年に通信販売限定で発売していた。同社通販サイトでの健康食品の取扱いは現在のところ同品のみだが、今後ラインナップを増やしてくる可能性もありそうだ。

 新会社の代表取締役社長を務める予定の杉本雅史・現JCHBUプレジデントは同日、「分社化により様々なビジネスチャンスを得ることで迅速にニーズに対応することが可能になる」とコメント。「健康寿命の延伸に貢献し、アジア地域におけるコンシューマーヘルスケア市場でリーディングカンパニーを目指す」とも述べた。

 武田薬品の16年3月期第3四半期連結決算は、売上収益が前年同期比4%増の1兆3933億円。このうちヘルスケア事業の売上は同9.7%増の638億円、営業利益は同18.6%増の210億円の増収増益だった。「アリナミン」などが売り上げを伸ばしたという。インバウンド消費の影響を受けたものと見られる。

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