表示・広告に規制強化求める 消費者委トクホ調査会(2016.2.11)

トクホ専門調

 消費者委員会の「特定保健用食品等の在り方に関する専門調査会」(寺本民生座長・帝京大学臨床研究センター長)は4日、特定保健用食品(トクホ)や健康食品の広告規制について議論し、健康食品の虚偽誇大表示の規制強化やトクホを含めた執行体制の強化が必要との方向で意見がまとまった。3月にも取りまとめる報告書に盛り込む。

 虚偽誇大表示の禁止は、景品表示法と健康増進法で規制されている。効能効果についてはさらに医薬品医療機器法(旧薬事法)の規制がかかる。

 この日の議論ではこれまで一度も行政処分を課していない健増法の執行を問題視。中には景表法には規定がある不実証広告規制を同法にも設け、表示を行った事業者に広告の根拠を示す義務を課すことや、適格消費者団体の差止請求権を認めるよう求める意見もあった。

 トクホ商品の広告についても、許可文言のうち〝脂肪の吸収を抑える〟など「メカニズムだけを取り出してキャッチコピーにしているが、どこまで許容できるか検討する必要がある」などの意見が出た。国の審査を経て認められた許可文言であるだけに、その一部を切り出してキャッチコピーにすることを懸念する委員は多かったが、一方で消費者委員会が同会で報告した消費者意識調査では、トクホの効果を限定的だと考えている消費者が少なくなかったこともあり、むしろ適切な摂取方法や食生活改善の必要性を周知することが大事だとする意見が強かった。

 同調査会に課せられた検討項目の議論はこれで全て終了。3月3日に開く次回会合で事務局が作成した報告書案の中身を議論し、合意に至れば同会は次回で終了する。

【写真=広告規制について議論する消費者委員会の専門調査会(4日、東京・千代田区)】

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