胃酸分泌抑制の新機能 スノーデン開発の乳酸菌(2016.2.25)
プラセンタエキス製造販売最大手のスノーデン(東京都千代田区)が乳酸菌原料市場に新規参入する。乳酸菌の機能性として一般的に知られる整腸作用とともに、「健胃」作用を持つことを動物試験などで見出した乳酸菌を先ごろ開発、今春にも供給を始める計画だ。胃に対する機能性としては、胃のトラブルの原因になるとされる胃酸の過剰な分泌を抑えたり、ピロリ菌の活性を抑制したりする働きが期待できるとしている。
「LJ88乳酸菌」の名称で原料供給する。ヒトの胃液中から単離した「LJ88株」(ラクトバチルス・ジョンソニー・1088株)を応用したもので、『胃酸およびガストリンの産生を抑制する乳酸菌』として特許(第5075254号)を取得した。韓国でも同様の特許を取得済み。また米国では特許出願中で、胃酸分泌抑制作用で差別化し、国内外で拡販を図る方針だ。
腸のみならず胃にも機能する乳酸菌が日本国内で広く原料供給されるのは、LJ88乳酸菌が初になるという。同様の機能性を持つ乳酸菌は国内乳業メーカー大手も開発している一方、ヨーグルトなど自社商品に応用しているのみで、外部への原料供給実績はないと見られる。
供給するのは殺菌体のため、サプリメントのほか加工食品全般に配合できる。また、ユーザーの要望に応じて生菌タイプの供給にも今後対応していく計画だ。
同社によれば、LJ88乳酸菌が胃酸過多を抑制するメカニズムとしては、胃酸を分泌させるガストリンの産生を抑える働きによるものと考察できる。胃酸分泌抑制薬のプロトンポンプ阻害剤にはガストリンを増加させるデメリットが報告されているため、LJ88乳酸菌にはプロトンポンプ阻害剤の効果を補助する働きも期待できるという。