健康維持・増進を支援 健康サポート薬局来年度から (2016.2.25)
国民の健康維持・増進を積極的に支援する機能を備えた「健康サポート薬局」制度を厚生労働省が来年度から始める。
服薬情報の一元的な把握と管理・指導を行う「かかりつけ薬剤師・薬局」の基本機能に加え、一般用医薬品や健康食品などの適切な使用に関する助言や健康の維持・増進に関する相談に薬剤師が対応し、必要に応じてかかりつけ医などの専門職や関係機関に紹介する機能を持つ薬局だ。同省が構築を推進する「地域包括ケアシステム」の中で、地域住民による自主的な健康維持・増進を支援する役割を担う。
2013年6月に閣議決定された「日本再興戦略」に、「セルフメディケーションの推進のために薬局・薬剤師の活用を推進する」旨が盛り込まれたのを受け、厚労省が昨年6月に検討会を立ち上げ、9月に報告書を取りまとめていた。必要要件を満たした上で都道府県知事に届出を行うことで、「健康サポート薬局」と店舗に掲示できるようになる。
一方、健康サポート薬局の基本要件には「24時間対応」「在宅対応」などがあり、「ハードルは高い。小規模薬局では対応が困難」(業界関係者)という見方がある。
また、かかりつけ薬剤師には、一般用医薬品や健康食品に関する専門知識が必要になる。健康サポート薬局には、要指導医薬、一般用医薬、健康食品などの取り扱いについて、「利用者が適切に選択できるよう供給機能や助言の体制を有していること」が求められているためだ。調剤に特化してきた薬局が、直ちに対応できるかは疑問と言えそうだ。
厚労省は12日、医薬品医療機器等法(薬機法)施行規則の一部改正省令の施行を通知し、健康サポート薬局の基準のほか、健康サポート薬局に常駐する、かかりつけ薬剤師の要件として定めた研修実施要項を公表した。健康サポート薬局の届出は今年10月1日以降から受け付ける。