ライオンのトクホで誇大表示 消費者庁、健増法32条の勧告を初適用(2016.3.3)


 消費者庁は1日、ライオン㈱が販売する特定保健用食品(トクホ)の広告表示に健康増進法違反があったとして、その旨の周知や再発防止を求める勧告を行った。同法が禁じる健康の保持増進効果について著しく人を誤認させる表示と認定したもので、これに基づく勧告は初。トクホ広告に対する勧告も初になる。

 再発防止などを勧告したのは、同社が昨年9月15日から11月27日にかけて、主要5紙および地方9紙に掲載した「トマト酢生活トマト酢飲料」の広告表示について。広告にはこの商品がトクホ許可を得たものと表示する一方、許可表示にはない「血圧低下作用」や「〝薬に頼らずに、食生活で血圧の対策をしたい〟そんな方々をサポートしようとライオンが開発した『トマト酢生活』」などと表示していた。

 同庁は、この商品のトクホ許可表示は「血圧が高めの方に適した食品」であり、血圧を下げる効果を認めたものではないほか、高血圧は薬物治療を含む医師の診断・治療によらなければ一般的に改善が期待できない疾患で、商品の摂取だけで高血圧を改善する効果が得られるとは認められないとし、勧告の要件である「国民の健康の保持増進及び国民に対する正確な情報の伝達に重大な影響を与える恐れがあると認められるとき」に該当すると判断した。

 勧告内容は、今回の表示内容が健増法違反である旨の一般消費者への周知、再発防止策を講じ役員及び従業員へ周知徹底すること、今後同様の表示を行わないことの3点。同庁は来月1日までに周知状況などの報告を同社に求めている。

 なお、同法では勧告に係る措置をとらない場合、勧告に従うよう命令を行うことができる。

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