HACCP義務化へ検討開始 厚生労働省(2016.3.7)
国内の食品衛生管理に国際標準化されたHACCPの導入を目指している厚生労働省は7日、具体的制度の枠組みなどについて検討する検討会の初会合を開き議論を開始した。検討会では対象食品の範囲や対象事業者の規模など国内義務化に向けた検討のほか、対象外食品に対する任意制度の導入などを検討する。また、輸入食品についてもHACCP適合の確認や監査の手法、諸外国の制度との同等性確認などについて検討する。
HACCPはコーデックス委員会が推奨する食品衛生管理手法で、製造や加工工程中に発生する恐れがある危害要因を予め分析して重要管理点を設定。これを連続的に監視することで製品の安全を確保する。諸外国では欧米などを中心に義務化が進められている。
この日の検討会では、予め義務化対象外の食品を設定せず、一律義務化を検討したうえで、対象から外れる食品を選別するよう求める意見があった一方、HACCPは事業者の任意で進めるべきとの意見もあり、早くも委員間の考えの違いが表面化した。
検討会は来月開催の次回会合で海外の制度化の状況や国内での普及、民間制度の状況などの説明があったあと、3回目から事業者ヒアリングなどを実施して議論を深めていく。9月には取りまとめ案を策定し、意見募集を経て12月に最終取りまとめを行う予定だ。
なお、検討範囲に健康食品も含まれるが、一方で同省はGMP(適正製造規範)を推奨しており、現在、HACCPとGMPとの整合性について、GMP認証団体のひとつである日本健康・栄養食品協会が厚生労働科学研究費で調査研究を行っており、今月中にも報告書をまとめ同省に報告する。