ナチュラリープラス、9カ月の業務停止 特商法違反 薬効ない旨の通知指示も(2016.3.10)


 消費者庁は9日、ネットワークビジネス大手の㈱ナチュラリープラスに対し、連鎖販売取引に関する新規勧誘、申込受付、契約締結など一部業務を今月10日から9カ月間停止するよう命じ、発表した。昨年4月に立ち入り検査を実施するとともにその後の調査で、同社の主力2商品の勧誘販売に際し、勧誘目的等不明示、重要事項不告知、迷惑勧誘などの特定商取引法違反があったと判断した。

 同庁は今回、「商品の効能に関する不実告知」があったとも判断。当該商品には病気の治療等ができるような効能はない旨を来月29日までに購入者に通知し、通知結果を同庁まで報告することも指示した。指示も行政処分の一類型。

 同庁取引対策課によれば、同社の勧誘者は「心筋梗塞とか動脈硬化が治る」「がんにも効く」などと説明しながら勧誘していた。第三者機関に調査委託したところ、そのような薬効があるとは認められなかったという。当該商品はいずれも食品。

 同社の名越隆昭社長は同日、「処分を厳粛に受け止め、コンプライアンスおよび一層の業務改善を徹底する」とコメントを出した。同社は立ち入り検査を受けた後、自主的に勧誘活動を禁じるなどして活動自粛や業務改善に取組んでいた。

 同社の15年8月期売上高は約216億円。消費者庁として特商法違反による行政処分を下す先としては、過去最大の売上規模になると見られる。主力の2商品のみで売上高全体のおよそ7割を売り上げていた。

 同社の会員数は17万人超(昨年2月現在)。年間を通じておよそ6万人が退会する一方で、ほぼ同数の新規入会がある動きを繰り返していたとみられる。

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