業務停止最長2年に 特商法改正案など閣議決定(2016.3.10)
政府は4日の閣議で特定商取引法と消費者契約法の改正案を閣議決定した。今国会に提出する。特商法の改正では悪質事業者への罰則強化や過量販売規制を電話勧誘販売に拡大適用する。これまで最長1年だった業務停止命令の期間は2年に伸ばすほか、不実告知に対する法人への罰金を300万円から1億円に引き上げる。また、業務停止を受けた事業者に対し返金など消費者への適切な対応を指示することができることを明示する。このほか消費者が請求していないFAX広告を禁じるオプトイン規制の導入や指定権利制を見直す。
新規対策としては、業務停止を命じられた法人の取締役や同等の支配力を有する者が、新たな法人を立ち上げて同じ業務を継続するのを禁じる。違反した場合、個人は3年以下の懲役又は300万円以下の罰金、法人は3億円以下の罰金を科す。
調査権限の強化では、行政が事業者などに対し質問ができるようにし、違反した場合、個人は6カ月以下の懲役又は100万円以下の罰金、法人には100万円以下の罰金を科す。現行の報告徴収・立入検査等の検査忌避に対しても同様の懲役刑を追加する。
一方、消契法改正では、高齢者の判断能力低下につけ込んで商品を大量購入させる事案に対応し、過量な購入契約を取消せるようにするほか、取消権行使の期間を現行の6カ月から1年に伸ばす。さらに消費者の利益を害する契約条項を無効にする規定を設ける。
施行期日は、特商法は公布後1年6カ月以内、消契法は同1年を経過した日を予定する。