テアニン、機能性表示で活況 睡眠分野で市場構築(2016.3.24)

テアニン図表

 睡眠の質向上やストレス改善、集中力の持続など多様な機能性を持つテアニン。それら機能性のなかで、安眠を促す機能性の市場が構築される様相を呈してきた。

 その動きを顕著にさせたのが機能性表示食品。制度開始からほぼ1年が経過するが、テアニンを機能性関与成分とする機能性表示食品は9品目(単一成分での届出のみ抽出、3月22日時点)が届出公表されている。難消化性デキストリンやルテインなどに比べればテアニンの1ケタ台の届出受理数は決して多くはないといえるが、同制度による恩恵は表示できるようになった機能にあるといっていい。

 これまでの健康食品では、「睡眠」「安眠」などの直接的な機能表示はされてこなかった。薬の領域に踏み込む効能表示として、食品の範囲での表示を避けてきた経緯がある。テアニン同様に、グリシンを用いた最終製品を以前より販売展開する味の素でもそれら表示はなかった。

 昨年夏、伊藤園が〝健やかな眠りをサポート〟などと機能表示したことに始まり、次いでタイヨーラボ、オリヒロプランデュ、日本コカ・コーラなどが睡眠に関わる機能表示で届出受理されるようになった。

 テアニン生産で国内最大手の太陽化学では、同制度施行前後で比較し引き合いは着実に増えており、「複数社からの引き合いが継続的に進行している」として、研究レビューは数十社以上に提供する。一般食品への採用も進んでおり、売上は前年比2ケタの伸張率を見せる。供給量自体は海外のウエイトが大きいが今期は国内出荷分の方が伸び率は良いとするなど、その好調ぶりがテアニン市場の活況を表しているといえそうだ。

 睡眠のカテゴリーでいえば、テアニン以外にも前述のグリシンやセリン、清酒酵母を関与成分とした製品が届出受理されており、一般消費者がそれらの機能表示を目にする機会は格段に増えている。機能性表示食品の全体の届出受理数249品目から見れば、テアニンの9品目は少ない状況だが、今後受理品が増えることが想定されることから、消費者の目に触れることで認知も高まってくることが予想される。

Clip to Evernote

ページトップ