健食と医薬の違い 理解不足 消費者意識調査(2016.3.24)


 機能性表示食品を特定保健用食品などと混同している消費者が少なくないとする調査結果を、武田薬品工業など製薬企業23社が加盟する「くすりの適正使用協議会」がまとめ、今月9日に公表した。また、健康食品と医薬品の効き目は異なることを理解していない人が約4割に上るほか、健康食品は医薬品のように副作用被害者救済制度の対象だと誤解している人が約2割存在したという。「理解はまだまだ低い」などと指摘している。

 協議会によれば、機能性表示食品制度の施行から約1年が経過し、「医薬品と似た機能を掲げた食品・サプリメントが増えている」ため、機能性表示食品を含む健康食品全般と医薬品の知識・認識実態を明らかにする目的で調査を実施した。

 調査では、機能性表示食品の使用経験があると回答した人に対し、商品名などを尋ねた。その結果、飲料の場合では実際に機能性表示食品だったのは全体の17.8%に過ぎず、トクホと混同していた場合が47.9%にも上った。また、商品名を思い出せず回答しなかったケースが23.1%だったという。

 また、機能性表示食品の「意味」を尋ねたところ、正しい答えを選択した人は30.5%と、およそ7割が不正解。「国による審査」で「健康維持促進に役立つことが認められている食品」を選んだ人は15.7%だった。

 調査は、20歳以上男女600名に対して今年2月にインターネットで実施。約3500名対象の事前スクリーニング調査では、うち24.3%が「1年以内に機能性表示食品の使用経験がある」と回答していた。本調査対象600名は各年代とも100名ずつで構成されており、機能性表示食品を1年以内に使用したと回答した50名、使用経験がないと回答した50名がそれぞれ含まれる。

 そのほかの設問の回答結果を見ると、「同じ効能や機能をうたっている健康食品と医薬品なら、効き目は同じである」という質問に対しては、過半数の56.7%が「間違いだと思う」と答えた一方で、「正しいと思う」が7.8%、「分からない」が35.5%だった。協議会では、「正しく理解していない」人が4割を超えると指摘している。

 一方、セルフケアを実践する方法として、「健康食品の摂取」を挙げた人は半数以上に達し、「一般用医薬品の活用」を上回るとの結果も出ている。健康食品の摂取を「実践している」27.2%、「これから実践したい」は27.3%だったのに対し、一般医薬品の活用の「実践」は21.7%、「これから」は25.2%といずれも健康食品を下回ったという。

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