新工場稼働 顆粒生産4倍に 日本ランチェスター工業(2016.4.7)

日本ランチェスター① 日本ランチェスター②

 健康食品受託製造の日本ランチェスター工業㈱(新垣健社長)の新工場および新本社屋が竣工し、2月より営業を開始した。場所は中国自動車道神戸三田インターチェンジが隣接する「神戸リサーチパーク赤松台」(神戸市北区)。工場建設用に取得した敷地面積は5000坪あり、今後、敷地内に研究棟や健康食品以外の食品を受託製造する工場を新たに建設する計画だ。直近売上高は15億円(2016年2月期)。米国や中国など海外展開も進めており、ここ数年2ケタ成長が続いている。

 JR、神戸電鉄の三田駅から車で約10分。神戸リサーチパークは、麒麟麦酒、水産加工品製造販売のかねふく、大阪読売新聞、精密機器製造販売のNTNなど大手企業が立地する産業団地。

 建設した新工場・本社屋は延べ床面積3300平方㍍、鉄筋コンクリート2階建て。新工場竣工にともない、複数台の大型流動層造粒乾燥機や打錠機、混合器など、最新鋭加工機器を新たに導入。これにより生産キャパを顆粒品で従来比4倍、打錠品で1.5倍に拡大させた。

 また、生菌室を新たに完備させるなど品質管理体制の強化も図り、最終製品の一貫生産体制も構築した。今後、一貫工程を範囲とする健康食品GMP認証を取得する。旧工場での健康食品GMP認証は製剤工程に関するものだった。

 同社の設立は1976年。85年に大阪から兵庫・三田市に移転、市内の西相野に本社工場を置いていた。一方、2003年に手掛けはじめた沖縄・与那国産ハーブ配合健康食品の受託製造を契機に業績が伸長。工場がかなり手狭になったこともあり、生産キャパを拡大させる目的などから新工場の建設を決めた。日本政策金融公庫から8億円の低金利融資を受けた。

 新垣社長は3月29日、新工場竣工について「産業団地に工場と社屋を構える念願がかなった。ただ、従来の製造品目の生産キャパを拡大させたに過ぎない」と健康産業流通新聞の取材にコメント。来年着工予定の第2期工事では、健康食品原料を開発するための研究棟や、これまで対応できなかった形態の食品を受託製造できる工場などを新たに建設する計画だとしている。

 また、同社の新垣尚裕専務取締役は「(工場の)ソフト面の一層の強化も同時に進める」と述べている。

 健康食品原料に関して同社では、沖縄の農業組合などと連携して各種沖縄産ハーブの栽培を手掛け、原料供給にも一部対応。また、琉球大学や県内医療機関と共同で機能性研究を進めるなど、原料事業者としての側面も備えつつある。

【写真=新工場・新本社社屋の外観(写真左)と内部】

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