グルコサミン スポーツフードに 甲陽ケミが新提案(2016.4.7)
グルコサミン原料製造販売国内最大手の甲陽ケミカル㈱がスポーツニュートリション市場への拡販に乗り出す。グルコサミンを「関節ケア向けスポーツニュートリション」と位置付け、日本人の食嗜好や今後予測される市場成長も踏まえて一般加工食品を中心に配合提案を進める。日本のスポーツ人口の増加傾向や2020年に控える東京五輪を追い風に、関節ケアの考え方を新たに取り込んだ「次世代型スポーツフード」市場の形成を目指す。
提案に当たっては、機能性表示食品としての商品開発も促す。「関節軟骨を維持する」働きを訴求できる機能性表示食品の届出実績を同社が挙げており、販売会社に対する届出支援とセットで原料供給を進める。機能性の科学的根拠は研究レビューで評価しており、届出支援を展開しやすい強みを生かす。
届出が昨秋に受理されて以来、食品業界からの引き合いも増加していた。健康食品業界からの届出支援要請を多く受けているが、グルコサミン健康食品を販売している先が大半。グルコサミン原料市場を拡大する狙いからも、スポーツニュートリション市場で新規需要開拓を進める。
同社によれば、プロスポーツ選手のケガは筋肉よりも関節の方が重症化しやすい。スポーツ時の損傷部位に関する研究報告論文数を調査したところ、関節が最も多かった。一方で、スポーツニュートリションには関節ケア素材が少ない現状に同社は着目。「健康寿命延伸のためにも、スポーツを続けられる体づくりをサポートする」(同社)といった観点も交えながら、グルコサミンを配合した関節ケアスポーツニュートリションの商品開発提案を推進する。
日本のスポーツ人口は年々増加。フィットネスクラブ会員数を見ると60歳以上が増加傾向にあり、シニア層のスポーツ人口も増えている。こうしたスポーツ人口の増加に合わせ、スポーツニュートリションの需要は、プロアスリートから一般層にまで広がる可能性も指摘されている。また、国内スポーツニュートリション市場規模について、20年には15年比5%増の244億円になるとの海外市場調査会社の予測もある。同社では「ユーザー層拡大で今後ますます市場の伸びが期待できる」と見る。