103品に不適正な表示 15年度の東京都試買調査(2016.4.7)
東京都は3月25日、2015(平成27)年度の健康食品試買調査結果をまとめ、購入した126品中103品で関係法令に違反または違反の恐れがある表示や広告があったとして、事業者に改善などを指導した。
試買調査は毎年実施しており、15年度は都内の健康食品売場などで購入した46品と、インターネットで購入した80品について、食品衛生法や薬機法(旧薬事法)、昨年4月に施行された食品表示法など6法令別に不適正な表示などがないか調べた。
法令別で最も多くの不適正表示があったのは、医薬品的な効能効果の標ぼうを禁じる薬機法の74品。訴求別では抗糖化・エイジングケアが11品、ダイエット効果が9品、男性機能が8品あった。事例としては「認知症の予防」「関節炎症に対する改善効果」など疾病の治療や予防に関する表示や、「基礎代謝をサポート」「男性ホルモンのバランスを調整」など身体機能の増強や増進をうたうものがあった。
食品表示法の不適正表示は、品質事項が38品、衛生事項が40品、保健事項が33品。事例としては、栄養機能食品で定められた注意喚起表示が一部記載されていないケースや、製造者の氏名や製造所所在地の未記載、文字の大きさが定められたポイントより小さいなどがあった。
このほか、健康増進法は14品。「トクホの有効成分として認められている○○を配合」「機能性成分○○」を含むなど、保健機能食品と紛らわしい表示があった。景品表示法は33品。「老化を止める!驚異の若返り」「スカートゆるゆる○○の働きで△△部が落ちてきます」など、消費者に優良誤認させる表示などがあった。特定商取引法は46品、食品衛生法は1品あった。
健康食品の摂取調査 6割超が目安量守る
東京都は、今年1月に18~74歳の都民を対象に行った健康食品の摂取に係るインターネット調査結果を公表した。約6000人を対象に行った予備調査では、最近1年間の健康食品利用は「たぶん利用」も含め66%、うち特定保健用食品は56%で半数を超え、利用が最も少なかった機能性表示食品も44%に上った。子どもと同居する人に聞いた中学生以下の利用率は、利用したことがあるを含め15%だった。
一方、予備調査で摂取頻度が高かった人など約1200人に行った本調査では、摂取目安量に対し「多く摂取したことはない」と目安量を守っている人が66%いた。複数の健康食品を利用している人は51%、医薬品との併用は31%だった。体調不良を感じた経験は、健康食品と確信は持てないがあるとの回答も含め12%だった。
摂取効果を「非常に効果を感じている」、「少しは効果を感じている」を合わせ70%が何らかの効果を感じていた。