原産地表示 77%が購入時に参考 消費者庁が調査(2016.4.7)


 加工食品を購入する際に原料原産地表示を参考にしている消費者が77%に達することが、このほど消費者庁が実施したWebアンケート調査で判明した。4年前の消費者意向調査より1割ほど増え、消費者の関心は高まっているといえる。3月31日に開催した同庁と農林水産省共催の「加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」で同庁が明らかにした。今後の検討会議論に影響する可能性がある。

 調査は今月4日~11日にかけて、日本在住の20歳以上の男女3000人を対象に実施したもの。食品表示の項目を示し、商品選択の際にどの項目をどの程度参考にしているかを複数回答で聞いており、原料原産地表示については「いつも参考にしている」(38%)「ときどき参考にしている」(39%)の合計が77%に達した。なお、最も参考にしている表示項目は価格(合計91%)、消費期限又は賞味期限(同90%)、内容量(同80%)が続いた。

 原料原産地表示を参考にする理由は「原料が国産のものを選びたい」(65%)、「原料が特定の原産国のものを選びたい、又は選びたくない」(39%)が多かった。

 一方、原料原産地表示拡大に伴うコスト負担を商品に価格転嫁(値上げ)することについては、「避けるべき」が64%と、「認められる」の35%を大きく上回った。「認められる」との回答でも、許容できる値上げ幅は「5%未満」が75%、5%以上10%未満が20%と、多くが10%未満の範囲内に収まった。

産業界は慎重な議論求む

 同日の検討会では、農水省の事業者調査結果も明らかになった。国内33事業者に聞き取りしたもので、国別表示の実行可能性については、既に対応可能な事業者がいる一方で、原料タンクに継ぎ足す植物油脂や、頻繁に産地や混合割合を変更しているため困難との回答があった。表示を取り違えた場合のリスク、表示面積の問題などを挙げる事業者もいた。一方、国産や外国産といった「大括り表示」、使用する可能性がある国を全て記載する「可能性表示」については、実行可能性は増加するが、消費者にとって意味があるのか疑問といった意見もあった。

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