日健栄協が研究会 特別用途食活用へ(2013.8.22)
日本健康・栄養食品協会は、消費者庁が許可事業を行っている特別用途食品の活用に向けた研究会を発足させた。特別用途食品の制度上の課題や、事業者側の課題である普及・広告活動などの課題を検討して提言書にまとめ、行政機関に提出し、制度の活性化につなげたい意向だ。
特別用途食品のメーカーなどが加盟する日本流動食協会と、日本メディカルニュートリション協議会が今年2月に協議を行い、日健栄協を介して行政側に提言していくことで合意、日健栄協も受入れた。具体的な検討は日健栄協の栄養食品部会会員に分科会などへの参加を募り、今秋から1年程度検討し提言書を取りまとめる予定。なお、研究会幹事社として、味の素、ニュートリーを代表幹事とする8社が決まっており、幹事会社は分科会リーダーを務める。
特別用途食品は、病者用や乳児用調製粉乳など、特別な用途に向けて開発された食品で、消費者庁が許可している。厚生労働省所管時代の09年4月の改正で、許可数が多かった糖尿病食調製用組合わせ食品(組合わせ食品)や、低ナトリウム食品などがカテゴリーから外される一方、ニーズが高い濃厚流動食(総合栄養食品)が追加されたが、改正前には500件以上あった許可数は、現在44件と大幅に減った。
一方、医療機関などでいわゆる治療食として使われている食品は現在3000種類、市場規模は1200億~1500億円ともいわれている。特別用途食品は医療関係者、消費者とも認知が進まず、特別用途食品を選択するメリットを感じていないというのが現状であり、研究会はこれらを解決するための方策検討が議論の中心になるようだ。