詐欺サイト被害が急増 実在店コピペで消費者欺く(2013.11.7)
実在する通販サイトをコピー、改ざんするなどして消費者をおびき寄せ、注文を受け代金が振り込まれても商品発送しない「詐欺サイト」の被害にあう人が増えている。相談件数が急増中だとして日本通信販売協会(JADMA)も注意喚起し始めた。偽サイトをつくられた事業者からの相談も増加している。
JADMA「通販110番」に2013年上半期(4月1日~9月30日)寄せられた非会員に関する相談件数は、3388件。前年度同期に比べて77.6%も増加した。「増加分のほとんどが詐欺サイト絡み」(八代修一消費者相談室長)だという。
詐欺サイトに関する相談は以前からあったものの、従来は海外通販サイトを巡るトラブルが大半。一方で、ここにきて詐欺を働く事業者が日本国内に拠点を持ちはじめたと見られ、代金振り込み先として国内銀行口座を指定。このため、サイトが海外業者によるものなのかどうかも判別しにくくなっている。また、偽サイトも国内でつくられている可能性がある。
被害報告を受けて銀行が口座凍結に動く場合も多い。しかし、「次々に新しい口座が開設され、いたちごっこの状態」(同)。また、警察のサイバー犯罪対策室がサイト凍結を図る場合もあるとはいえ、被疑者を特定できないため、警察としても動くに動けないのが実情のようだ。
偽サイトで特徴的なのは①価格が非常に安価②振込先口座が外国人名③(商品が送られてくる場合は)EMS等の海外郵便として送付④日本語の表現が不自然などが挙げられる。口座名義は中国人名が多く、また商品送付元も中国の場合が多い。
JADMAによると、被害相談が多い商品はブランドバック類、スニーカーなど靴、腕時計、ゴルフ用品などスポーツアイテム、サングラスなどメガネ類。これらで全体のおよそ7割を占める。一方で、最近では低価格な日用品でも被害が増加。289円の洗たくロープで詐欺にあった消費者もいるという。
いまのところ、健康食品や化粧品に関する被害相談はほとんどないという。ただ、「金をだまし取るのが目的で、商品を送るつもりもないのだから、サイトに載せる商品はなんでもいいはず」という見方もある。また、JADMAによれば、偽サイトの標的とされるのは中小規模企業のサイトが多いようだ。