機能性制度「効果を知る」に期待が8割 健食懇調査(2016.4.21)
健康と食品懇話会は、昨年11月にインターネットで実施した健康食品などに関する消費者意識調査結果を明らかにした。調査は㈱マクロミルが実施。対象者は週1回以上、特定の健康食品を摂取している20歳以上の男女624人(男女とも312人ずつ)。
このうち、機能性表示食品制度に関する調査では、制度のイメージについて、「有効性や安全性の根拠を手軽に知ることができるようになるので良いと思う」に「あてはまる」「やや当てはまる」との回答が合計で63%、「スピーディーに各メーカーが機能性表示食品を販売できるようになるので良いと思う」も55%と半数を超えた。一方、「認可制でないと有効性や安全性が不十分な製品が出回りそうなので良くないと思う」も半数以上の57%だったが、昨年調査(62%)に比べて割合は減った。
制度への期待については「どのような効果があるか知ることができる」に「あてはまる」「やや当てはまる」との回答合計が80%に達したほか、「自分に合った食品を選びやすくなる」も72%と、いずれも昨年調査より伸びた。
摂取による改善期待は「体脂肪を減らす」(27%)、「中性脂肪を減らす」(25%)、「コレステロールを減らす」(24%)、「疲れやすさ解消」(24%)と続いた。このほか、「ビタミン不足の解消」(17%)、「ミネラル不足の解消」(14%)など、現在は機能性関与成分から除外されているビタミンやミネラルへの期待もあった。他にも「冷え症解消」(11%)、「髪の毛(抜け毛・色つや)」(8%)などもあった。
なお、機能性表示食品の認知率は80%。特定保健用食品(トクホ)の95%よりは低かったが、開始初年度としては高い割合だった。
トクホ利用進み「健康茶」上昇
健康食品の利用実態に関する調査では、普段使用している健康食品(週1回以上)のトップは「グルコサミン・コンドロイチン」の39人。以下「マルチビタミン」「健康茶」「ブルーベリー」「ビタミンC」が続いた。特に「健康茶」は昨年の11位から3位に上昇。要因としては特定保健用食品(トクホ)を挙げる回答が7割を占めたことから、あらゆる世代でトクホの茶系飲料の利用が進んでいると分析した。
健康食品の購入先は「通信販売(インターネット)」(40%)、「薬局・ドラッグストア」(33%)の2ルートのみで7割を超えた。
健康食品の利用目的は「ビタミン不足解消」(11%)、「お腹の調子を良くする」(9%)、「疲れやすさ解消」(9%)、「体脂肪を減らす」(6%)が続いた。
利用頻度は「ほとんど毎日」(74%)、「週に4、5回」(13%)、「週に2、3回」(10%)だった。使用期間は「3年以上」(31%)が最も多く、「3カ月以上、1年未満」(27%)が続いた。年代が上がるほど長期間継続している割合が高く、60代では「3年以上」が4割を超えた。健康食品の満足度は「とても満足」「やや満足」の合計が64%。男性よりも女性の方が満足している割合がやや高かった。
月に健康食品にかけることができる費用は「1000~1999円」(30%)がトップ。6割が3000円以内、多くても5000円以内にほとんどが収まった。