売上高908億円 ファンケル16年3月期決算(2016.5.12)
㈱ファンケル(横浜市中区)は4月27日、2016年3月期の業績を発表、売上高は対前年比17.0%増の908億5000万円を計上した。昨年5月に掲げた新中期経営計画における積極的な広告費用の投下により大幅な増収となった。一方で広告費増などにより営業利益は同69.9%減の12億400万円となった。13年5月に池森賢二会長が新経営方針説明会で明言していた「3年で立て直す」ことを実行したことになる。
セグメント別にみると、売上の6割を占める主力の化粧品事業が同15.9%増の550億1600万円、栄養補助食品事業が同22.9%増の286億1200万円、青汁や発芽玄米を含むその他事業が同5.0%増の72億2100万円と全事業が伸張した。
伸び率の大きいサプリ分野は、9期連続の減収から一転し大幅増収となり7年前の水準まで回復した。今期方針として、前期に大幅な広告投資などにより売上高を8億円から35億円に引き上げた機能性表示食品「えんきん」を55億円に拡大させる。また「えんきん」以外の機能性表示食品の総売上を3.3倍に拡大させるほか、今期は10製品程度の届出を予定している。すでに主力商品のダイエット食品「カロリミット」は書類を届け出ており、受理が待たれるところ。
さらに年代別サプリメントやグルコサミン配合のサプリ「楽のび」を新たな重点強化製品として挙げ、テレビを中心としたプロモーションを積極的に仕掛ける。年代別サプリは20、30、40、50代の4世代向け男女それぞれ2種類の計8製品に加え、先月下旬から60代向け男女2種類を市場投入するなど、全年齢層に向けた提案がほぼ整ったことになる。
またそれらサプリ需要増に対応するため、子会社・ファンケル美健の千葉工場を改修し、サプリ製造工場を15億円を投じて増設する。これにより生産能力は現状の1.6倍に拡大する。