記載の分析法、一部で不備 機能性検証事業(2016.5.26)
消費者庁は、昨年度に実施した機能性表示食品に関する研究事業の結果概要を、26日に開催した機能性関与成分の取扱い等に関する検討会の中で明らかにした。
このうち、機能性関与成分の検証事業では、届出資料に記載された定性・定量の分析方法を検証。定性確認では対象とした164成分中、約7割の114成分が記載された分析法で同定可能(機能性関与成分に特異性が高い分析法)で、23成分はやや特異性が低いと評価した。一方で、27成分は特異性がないと評価した。
定量確認では、6割強の103成分が記載の方法で分析可能と考えられるとしたが、約3割の47成分は「届出情報が不十分で、第三者が自分で論文/文献等を調べて分析する必要がある」と、不備があると評価した。また、機能性表示食品17件を買上げ、機能性関与成分の含有量を調べた結果、一部で含有量が表示値を下回ったものや、過剰に含まれているものが見つかった。
一方、届出られた研究レビューの検証事業は、昨年10月末までに公表された122食品中、重複分を除いた51編の研究レビューが届出ガイドラインに基づく手法で行われているかを検証。主な結果としては、PRISMA声明チェックリストに不備、記述がない、不十分な研究レビューがあった。また、文献検索の方法に不備があると疑われるものもいくつかあった。
同庁はこれらの結果から、分析方法の資料追加や訂正などを求めることを検討するほか、PRISMA声明チェックリストの拡張版を策定し、質の高い研究レビュー資料になるよう周知を図っていく考えを明かした。