黒ショウガ、運動機能向上で表示へ オリザ油化(2016.5.26)


 黒ショウガ(ケンペリア・パルウィローラ)エキスを配合したサプリメントなどについて、機能性表示食品の届出を行うためのシステマティックレビューを原料供給するオリザ油化㈱が実施し、このほど結果をまとめた。広く健常成人を対象にした運動機能向上作用を検証したもので、レビューで最終的に採用した文献の中には、同社が供給する「黒ショウガエキス‐P」を使った査読付き臨床試験論文も含まれる。

 16日に発表した。レビュー結果から想定される機能性表示については、「黒ショウガ由来ポリメトキシフラボンには運動機能(握力、脚力、バランス力、持久力)を向上させる機能があることが報告されています」などが考えられるとしている。ポリメトキシフラボンは、黒ショウガの有効成分と強く考えられている化合物で、そのうち代表的成分としては5,7-ジメトキシフラボンが知られる。

 同社はレビュー完了に伴い、最終商品販売会社などに対し、運動機能向上を訴求する機能性表示食品の届出支援を開始する。黒ショウガエキス‐Pの規格成分は、総フラボノイドとして10%以上、うち5,7-ジメトキシフラボンが2.5%以上。機能性表示食品としての1日当たり推奨摂取量は、レビューに基づき同原料として1日当たり100~150㍉㌘とする。

 レビューに採用した同社実施の臨床試験に関する論文は、現在印刷中(in press)の段階だが、同社によると試験の結果、握力、脚力、バランス力、持久力といった各種の運動機能について、プラセボと比べて有意な改善が認められているという。健常成人を被験者にした二重盲検クロスオーバー試験を行った。

 同社は黒ショウガエキスの機能性について、特に筋肉の「質(代謝機能)」を高める働きに着目して研究を進めていた。その中で、黒ショウガエキスおよび5,7‐ジメトキシフラボンが、AMPK(AMP活性化プロテインキナーゼ)を活性化させ、筋肉のエネルギー産生を高める作用を発見し特許を出願。AMPKは通常、運動後など筋肉中のエネルギーレベルが低下した際に細胞内で活性化される酵素の一種だという。

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