機能性表示食、苦情なく JARO15年度審査概況 (2016.5.26)


 日本広告審査機構(JARO)が13日に発表した2015年度の広告審査概況によると、機能性表示食品に関する「苦情」は、制度概要を理解していないとみられる一般消費者から寄せられたごく軽微なものにとどまった。届出情報と広告表示の整合性などを問題視するような、消費者団体や事業者などからの重い苦情は寄せられなかった。

 機能性表示食品に関する問い合わせとしては、広告制作などを行うに際した企業からの相談である「照会」が、媒体社などから複数件寄せられた。内容は、届け出た機能性表示と微妙に異なる広告表現に関するものが大半だった。

 一方、いわゆる健康食品に関する苦情件数は、前年度比65件増の268件に上った。苦情件数を業種別に見ると健康食品は4番目に多く、通信(997件)、小売業(548件)、一般食品(377件)に次ぐ。

 また、JAROが苦情を受けて広告内容を審議した上で、警告、要望、提言などを広告主に発信する「見解」について、15年度にその対象となった商品・サービスで最多となったのは、3年連続で健康食品(11件)だった。

 健康食品に関して発信した見解のうち、当該広告や表示の即時排除・撤回が必要と判断された「警告」の発信事例としては、「運動なし! ガマンなし! 飲むだけ!」と食事制限や運動をせずともダイエット効果が得られると謳ったもの、「ブルーベリーを超えた! 沖縄のイモでハッキリ一変」など視力回復や老眼の症状改善効果があるかのように謳ったもの、「エネルギーの消費にアプローチし、若々しく燃えやすい身体づくりをサポート」などと医薬品的な効果・効能を表示したものなどがあったという。

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