次回から具体的検討へ 厚労省のHACCP制度検討(2016.5.26)

03HACCP

 HACCPの義務化などを検討している厚生労働省の「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」は23日、事業者団体から衛生管理や工程管理の取組みなどについてヒアリングを行った。

 ヒアリングしたのは日本乳業協会、全国乳業協同組合連合会、全国清涼飲料工業会、全国水産加工業協同組合連合会、日本缶詰びん詰レトルト食品協会の5団体。このうち、大手中堅の乳業メーカーが主体の日本乳業協会は、総合衛生管理製造過程による承認施設数全体の6割弱が乳、乳製品の施設であるなど、衛生管理の取組が進んでいることや、HACCP講習会の実施などの取組みを通じて、団体としても食品安全や衛生管理に努めている点を強調した。

 一方、ほか4団体はいずれも中小零細事業者を抱えいる事情から、経済的に厳しいと主張。全国乳業協同組合連合会は、売上5~50億円程度の中小事業者の半数が赤字経営であること、全国水産加工業協同組合連合会は、水産加工業者の4分の3が従業員19人以下であり、経営基盤は脆弱だと語った。

 このため、HACCP導入による事業者のメリットを伝える必要や、それぞれ事情が違う業種ごとの実態を踏まえた柔軟な対応を求めた。また、複数の団体から、実際にどのレベルの衛生管理を求めるのかを早急に取りまとめて伝えて欲しいとの要求もあった。

 なお、同検討会は次回以降もヒアリングを続けるが、並行して具体的な制度化に向けた検討に入る見通し。

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