230業者に表示改善を要請 消費者庁ネット監視(2016.5.26)
消費者庁は20日、昨年10月から12月までに実施したインターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示の監視結果をまとめ、230事業者、306商品の表示に健康増進法違反の恐れがあったとして、これら事業者に表示改善を要請した。うち29業者81商品は「機能○○食品」など、保健機能食品と紛らわしい表現だった。併せてショッピングモール運営事業者にも表示適正化について協力を要請した。
同調査は健増法31条1項で禁じる食品の虚偽・誇大表示の監視を目的に、毎年四半期ごとに実施しているもの。今回は「癌」「脳梗塞」「動脈硬化」「関節痛」「インフルエンザ」など、疾病の治療や予防を目的とする効果や、「脂肪吸収」「肝機能」など、身体の組織機能の一般的増強、増進を目的とする表現を対象に、キーワードを無作為検索後、検索されたサイトを目視によって確認した。
疾病の治療や予防、身体組織機能の増強等の効果の表現で改善要請したのは201事業者、225商品で、一度の監視としては12年1~3月の208事業者に改善要請して以来の多さとなる。商品区分別で最も多かったのは加工食品の96商品で、いわゆる健康食品の92商品、飲料等の89商品、生鮮食品の29商品と続いた。
このうち、いわゆる健康食品では、脂肪燃焼、新陳代謝を向上、老廃物の除去の効果を有するなどの効果についての標ぼうや、女性ホルモンの活性化に働きかけ、美白美肌、更年期障害の軽減、高血圧や動脈硬化の予防等に効果を有することを標ぼうするものがあった。また加工食品や飲料等では、がんや動脈硬化の予防を標ぼうするものがあったという。
一方、特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品など保健機能食品と紛らわしい表現についての監視は、機能性表示食品制度が始まる直前の昨年3月に、25事業者、31商品に対し改善要請して以来となる。今回は夏季と年末に実施している食品表示の適正化に向けた取組みの一貫で実施し、昨年12月の約1カ月間、監視を行った。
なお、同庁は過去の監視で事業者に改善要請した表示が全て改善されたことも公表した。改善要請は2014年度が84業者131商品、15年度4~6月が2業者2商品、同7~9月が26業者31商品あった。特に14年度要請分のうち、3業者3商品の表示については要請後も改善が見られないことから、昨年12月に公表した前回分の監視結果では「個別に調査を実施する」としていた。