機能性表示食の広告自主基準を公開 産業協議会など(2016.5.26)


 健康食品産業協議会と日本通信販売協会が機能性表示食品の「適正広告自主基準(第1版)」を先月末までにまとめ、産業協議会は24日、ホームページで公開した。広告を作成する際の「基本的な考え方」を業界自主基準として示したもので、最終的に2団体で共同して取りまとめた。消費者庁との意見交換も経た。協議会は自主基準の性格について「強制力を持つものではなく、あくまで各社が自主的主体的に活用する」ものだとしている。

 自主基準は機能性表示食品について「適切な広告表現が得られること」(産業協議会)が狙い。両団体は自主基準を「広く業界全体へ周知する必要がある」としつつ、協議の上で運用していく方針を示している。一般社団法人化したばかりのため団体としての活動基盤に課題を残す産業協議会は特に、運用体制をどう構築していくかが問われそうだ。

 自主基準は日本健康・栄養食品協会が作成し運用している「『特定保健用食品』適正広告自主基準」をベースに作成した。機能性表示食品の広告の考え方はトクホと「基本的に同じ」だとする見解を、消費者庁は以前から示していた。

 一方で、機能性表示食品はトクホと異なる制度であることを理由に、トクホの広告自主基準を土台に作成したことを疑問視する声も一部で聞かれる。

 また自主基準には、今年4月1日付で一部改正された景品表示法の「不実証広告規制に関する指針」の要素も加味した。この指針では、表示内容を裏付ける「合理的な根拠」の考え方について、①客観的に実証された内容のものであること②表示内容と客観的に実証された内容が〝適切に対応〟していることの二つを満たす必要があるとしている。そのため、自主基準では、機能性表示食品の広告などについても、合理的な根拠の考え方を「十分に理解」した上で作成するよう求めている。

 消費者庁表示対策課は、届出表示と広告内容が適切に対応しているかどうかの判断基準について、「社会通念や経験則に基づき常識的に判断する」ともしている。また、産業協議会では機能性表示食品の広告の取り締まりについて「個別の文言の是非で行われるのではなく、広告全体が誤認を与える内容か否かに基づく」との考え方を示している。

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