コラーゲンペプチド 売上増もインバウンド背景(2016.5.26)


 国内ゼラチン・コラーゲンペプチド製造販売大手2社の16年3月期決算が13日までに出揃い、いずれもコラーゲンペプチドの売上高は前年同期実績を上回った。コラーゲンペプチドの国需要に回復の兆しもうかがえるものの、主要な増加要因は来日観光客によるインバウンド消費。増加基調を維持できるかは今年の動向に掛かっている。

 新田ゼラチン㈱のコラーゲン素材事業(コラーゲンケーシング含む)の売上高は同20.6%増の276億8600万円、セグメント利益は同66.3%増の18億3200万円となった。また、㈱ニッピのゼラチン関連事業(同除く)の売上高は前年同期比10.4%増の82億8600万円、営業利益は同973%増の5億7200万円と、いずれも大幅な増収増益を達成した。

 15年3月期のコラーゲンペプチドの売上高は、2社とも16年3月期と同様に海外輸出が増加したものの国内は減少。ゼラチンが好調に推移したためニッピのゼラチン関連事業の売上高は前年同期比1.5%増、新田ゼラチンのコラーゲン素材事業も同2.3%増とそれぞれ増加したが、微増にとどまっていた。

 一方、コラーゲンペプチドを配合した最終商品では、大手の㈱明治「アミノコラーゲン」が好調に推移。明治ホールディングス㈱が11日に発表した16年3月期連結決算によると、売上高は前期を大幅に上回った。15年3月期は前期並みと奮わなかった一方で、16年はインバウンド需要や海外輸出の拡大によって売上高を大きく伸ばした。

前年度比2ケタ増に

 国内ゼラチン・コラーゲンペプチドメーカーが加盟する日本ゼラチン・コラーゲンペプチド工業組合(GMJ)は、加盟企業を調査対象にした15年度コラーゲンペプチド用途別販売量をまとめ、24日に発表した。販売量は6社合計で4886㌧、前年度比は12%増と5年振りに増加に転じた。

 食用は4256㌧と4000㌧台に回復。食用が大半の輸出は510㌧と、前の年度と比べて140㌧近く増えた。
 GMJでは増加要因について、「インバウンド需要が寄与」したものだと見る。GMJ加盟企業によるコラーゲンペプチド販売量は、10年度の5342㌧をピークに減少傾向が続いていた。

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