届出書送付「900件超える」 消費者庁・川口次長(2016.6.23)
昨年4月の機能性表示食品制度以来の届出書類の送付件数が、合計900件を超えていることが分かった。制度を所管する消費者庁の川口康裕次長が11日、横浜市内で開催された機能性表示食品制度に関するシンポジウムで講演し、明らかにした。
11日現在の機能性表示食品の届出総数は、自主撤回6品目を除くと311品目。消費者庁は、届出書類に不備があり差し戻した後に修正書類が送付されない場合もあると非公式に説明しているが、少なくとも500件超の届出書類が最終処理まで至っていないと考えられる実態が浮き彫りとなった。
日本抗加齢医学会総会内で開かれたシンポジウム「機能性表示食品制度施行1年を振り返って」に登壇し、制度の状況をテーマに講演した。この中で、「(届出)資料の送付自体は900件を超える」などと述べた。
川口次長は届出書類の処理が進んでいないことについて「送付しても確認が遅いのではないか、とお叱りをいただき、ご迷惑をお掛けしている」。そのうえで、「大変沢山の資料をいただいているということで、私どもは一生懸命やっているつもりだが、遅いという事実が客観的にある」などと述べた。
一方、消費者庁が4月1日から運用を始めている機能性表示食品の届出データベースについて「全体的に資料の確認期間が短縮される」メリットがあると述べた。届出書送付のオンライン化に伴い郵送によるタイムラグが軽減されたり、軽微な不備が届出前にチェックされるシステムになったりしている。また、「軽微な不備は結構ある」とし「どなたかが遅れると、ほかのちゃんと出している企業に影響がある」と指摘した。
ただ、届出データベースを使った届出情報の更新で新たに追加された商品は、21日夕までに8品目にとどまる。
届出書類の確認の遅さは制度施行すぐから指摘されていたが、施行2カ月後の昨年6月中旬までに情報公開された届出は40品目余りだったこともあり、消費者庁はDB導入によってさらに遅くなったとの批判も免れない状況となっている。
【写真=消費者庁の川口康裕次長】