ビタミンなどに慎重論 事業者提案も理解得られず(2016.6.30)
機能性表示食品制度の関与成分拡大を検討している消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」(寺本民生座長・帝京大学臨床研究センター長)は30日、食事摂取基準などに基準が設定されているビタミンやミネラルなどの栄養成分の取扱いについて議論した。
栄養成分の取扱いに関する本格的な議論は今回で2度目。議論は「糖類・糖質」「タンパク質・脂質」「ビタミン・ミネラル」の3つに分けて行われた。このうち、最も議論されたのは市場の規模や関心が高い「ビタミン・ミネラル」。
制度取り込みを求める事業者代表の関口洋一委員は、4月の検討会でビタミンDやB群、葉酸、ミネラルのカルシウムや亜鉛など具体的成分を挙げたが、この日はビタミンDを例に耐用上限量厳守の考えや、過剰摂取回避に向け、注意喚起や消費者への安全性情報の啓発を提案。さらに、ビタミンやミネラルに限らず、同検討会で再三指摘を受けた成分の分析方法の開示について、情報漏洩の保証を条件に認める考えも示した。
ただ、「ビタミン・ミネラル」については「国民のリテラシーが上がらず、安全性にも問題があるのならやはり認められない」(森田満樹委員)「栄養機能食品でさえ正しく理解されていない。制度の問題点を洗い出してから次に進むのが順序」(梅垣敬三委員)「栄養機能食品以外の機能があれば、それは食事摂取基準に上がってくる」(赤松利恵委員)と、慎重な議論を求める意見が相次いだ。
この問題について寺本座長は「十分まとめきれていない」として、引き続き議論すると引き取った。