関口氏 原材料、製品ともGMP管理 日健栄協 健康食品の安全性でセミナー(2016.7.4)
日本健康・栄養食品協会は4日、健康食品の安全性に関するセミナーを東京・新宿区の牛込箪笥区民ホールで開催した。食品安全委員会の鋤柄卓夫評価第二課長による基調講演のほか、有識者3名による意見交換などが行われた。
鋤柄氏は昨年12月に食安委が取りまとめた「いわゆる『健康食品』に関するメッセージ」について解説。メッセージでは健康食品を摂取するかは消費者の自己選択としているが、健康食品に対する誤認や、健康食品が健康な成人向けであることを知らない消費者は多いと語り、摂取には注意が必要である点を強調した。また、事業者に対しては消費者の自己選択や、有害事象・有効性を自己評価するのに必要な情報の提供を求めた。
一方、意見交換は、機能性表示食品と、消費者庁の検討会で議論されている、ビタミンなどの栄養成分と関与成分が不明確な食品の取扱いが話題となった。健康食品産業協議会の関口洋一氏は、機能性表示食品のサプリメントについてはGMP(適正製造規範)による原材料と製品の管理をガイドラインに書き込んでも構わないと実質GMP義務化を容認する考えを伝えた。
日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会の蒲生恵美氏は、検討会でビタミン類の過剰摂取が話題になることに触れ、個人的には健康食品で使われており、機能性表示食品になったからといって摂取量が増えるとは思わないと指摘。ただ、同制度では論文1報でも可能なことから「消費者が果たしてエビデンスのレベルまで考えられるのか心配」と、誤認という観点では同制度の活用が良いか疑問だと語った。
毎日新聞の小島正美氏は機能性表示食品に関する消費者団体などの疑義情報について、消費者庁は事業者に確認し答えを公表すべきと語った。