アピの独自素材 届出実績テコに拡販へ 沈香葉エキス(2016.7.7)
「待ちに待った」という気持ちに違いない。健康食品受託製造最大手アピ㈱の独自素材が機能性表示食品として市場展開できるようになる。届出情報が公開された6月27日午後、同社はさっそくプレスリリースを出した。
機能性関与成分名「沈香葉エキス(ゲンクワニン配糖体として)」。過去、成分名に「抽出物」と付く届出は複数あった一方で「エキス」は初。表示しようとする機能性については「便通を改善する(排便量・排便回数を増やす)機能があることが報告されています」となった。排便に対する有効性を直接訴求できる内容と言えそうだ。
東南アジア地方を中心にお茶などとして食経験があるジンチョウゲ科ジンコウ属植物の葉を原材料とする沈香葉エキスは、同社はじめ岐阜薬科大学、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による産学官連携事業の成果として世界で初めて開発された健康食品原料。排便促進作用のメカニズムについては、小腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進させるのに伴うものだと考えられている。
市場導入の開始は2014年。機能性関与成分としてはもとより健康食品素材としても新規素材といえ、アピでは今回の届出受理をテコに、業界内認知度向上と需要拡大を図る計画だ。
機能性の科学的根拠は研究レビューで証明していることもあり、受理を待っていた複数の企業が届出に乗り出すのは確実。加えて、「体感性が高い」と評価する声も聞こえており、機能表示と体感性の両方に期待した商品開発が進む可能性がある。