民間によるヘルスケア実現 JAHIが活動方針発表(2016.7.7)

04日本ヘルスケア協会

 業界横断的に企業や有識者などが集い、ヘルスケア産業の育成を目指す目的で昨年11月に設立された「一般財団法人日本ヘルスケア協会」(JAHI)は6月30日、活動方針発表会を都内で開催し、小売りやメーカーをはじめとする多様なヘルスケア関連企業の関係者などおよそ600名が参加した。

 基調講演を行った協会事務総長の宗像守氏は、協会の目的について「ヘルスケア産業を育成し、健康寿命延伸を実現する」などとした上で、活動方針について「民間の、民間による、民間のための『ヘルスケアの実現』を行う」などと説明。政府の成長戦略が新しい健康政策を数多く打ち出している一方、「反体勢力により骨抜きにされ、成果が上がったものはない」との現状認識も示したうえで、ヘルスケアの実現のために民間の力を結集する必要性を訴えた。

 また、具体的な活動については、政策建議、業界調整、国民啓発、事業の普及推進などを挙げ、「組織的に決定したものは、それを確実に実現できるように働きかけをしていく」と強調。有益な事業を実現するためにロビー活動も行っていくとした。

 パネルディスカッションも行われ、パネリストとして登壇した厚生労働省医政局経済課長の大西友弘氏は、国民皆保険制度について「人口減少が進み、経済についても昔のような高度成長が読めない中ではやはり限界があり、適正な医療費を考えていかないとならない」と述べた。

 また国民皆保険制度の弱点として「『予防』という考え方がない」ことを挙げ、「医療費の適正化を考えても、これからは予防に取り組んでいかないとならない」と語った。

 日本ヘルスケア協会の組織構成は複雑で、同協会を基盤とし、その構成組織として「日本ヘルスケア産業協議会」と「日本ヘルスケア学会」の2組織が付随する。産業協議会については「自己検診推進部会」「OTC・漢方医薬品推進部会」「スマイルケア食推進部会」など業界・テーマ別に15以上の部会で構成されており、「機能性表示食品普及推進部会」もある。

 各部会には関係企業などが所属。活動内容は「各部会テーマの実現を拒む障害の排除や推進に必要な環境整備を行う」ことなどが挙げられており、例えば、機能性表示食品普及推進部会では「課題」として、①科学的根拠に基づいた使用範囲が制限されている②対象者と範囲が制限されていること③機能性表示できる成分が制限されている(食薬区分の検討も含む)――の3つを挙げている。

 なお、協会の会長には大西隆・豊橋技術科学大学学長および日本学術会議会長、理事長には松本南海雄・マツモトキヨシホールディングス会長、産業協議会の会長には池野隆光・ウエルシアホールディングス会長がそれぞれ就任している。

【写真=発表会会場の様子(6月30日、東京・千代田区)】

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