バイエル薬品、国内サプリ市場に参入(2016.7.21)
製薬企業のバイエル薬品㈱(大阪市北区)がサプリ市場に新規参入した。親会社バイエルは以前から各国で販売していたが、日本は未開拓。14年に新設し、戦略的な事業拡大を図るコンシューマーヘルス部門からの初の製品でもあり、販売に力を入れる方針。
妊娠準備期間中の女性向けサプリ「エレビット」(=写真)を11日、新発売した。バイエルが62カ国・地域で販売している、葉酸配合プレグナンシー(妊娠)・マルチビタミンサプリの「グローバルナンバーワンブランド」(同社)を日本人女性向けに改良したもの。日本の栄養摂取基準を採り入れた処方変更を行ったほか、タブレット形状を小型化。日本国内の健康食品GMP認証工場で製造する。
販路は、同品のために立ち上げたオンラインショップや、病院、クリニック、調剤薬局といった医療用医薬品で開拓したチャネルを活用。医療従事者を通じた普及を狙う。発売に合わせ、神経管閉鎖障害の発症リスク低減を目的にした葉酸摂取の啓発活動を始めることも発表しており、医療関係者に対してMRからの情報提供活動などを行う予定だ。
同社の調べによれば、日本の妊娠計画者の葉酸サプリの摂取率は10%と豪州など海外3カ国平均の約50%と比べて顕著に低い。他方で日本は葉酸サプリの潜在需要が高いとも考えられ、同社では今後、「妊活」サイトなどを通じた販促活動を展開し、需要の掘り起こしを図る。
日本のバイエルのヘルスケア事業の15年売上高は前年比8.8%増の2353億6900万円。コンシューマーヘルス部門については医療用医薬品の注力領域でもある「ウイメンズヘルスケア」の拡大に取り組んでいる。