弾力化の考え方示す HACCP導入基準案で厚労省(2016.7.21)
国際標準化されたHACCPを国内の食品衛生管理に導入することを検討している厚生労働省の「食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」(五十君靜信座長・東京農業大学教授)は13日、厚労省が示したA、Bの2つの基準案の中身について議論した。
厚労省の2つの案は、6月の検討会で骨格が示され、委員も概ね了承していた。A案は、コーデックス(Codex)のガイドラインで示す、危害要因分析、重要管理点の決定、モニタリング方法の設定や記録・保存方法の設定といった7原則の全ての実施を求め、いわゆるコーデックスHACCPを実現する。一方、B案は管理基準設定などは求めないが、HACCPの考えに基づく衛生管理を求める。経営的に厳しい中小零細や、輸出を行わない事業者などを対象にしている。
この日の会合では、厚労省から2案のさらに詳細な考えが示され、特にB案については、弾力化が可能と考えられる方策が示された。例えば、危害要因分析では、微生物や化学物質等の特定については管理措置の設定に必要なレベルを求めることにした。重要管理点の設定では、一般衛生管理、管理措置等のガイダンスの使用が可能にし、加熱殺菌のみなどシンプルな工程の業種は、予め推奨されたCCP(Critical Control Point)を用いることができる。記録についても、海外で事例がある日誌での記録・保存を可能にするとした。
【写真=7月13日の検討会(東京・港区)】