機能性表示食品 製薬企業の動き活発に(2016.8.11)


 機能性表示食品を巡る製薬企業の動きがやや活発化している。大手のエーザイ㈱が美容訴求食品を届け出ていたことが、8月2日の届出情報更新で分かったほか、大正製薬㈱は、第1号となる機能性表示食品を来月1日から市場投入する。分社化したコンシューマーヘルスケア事業の営業を来年4月から開始する武田薬品工業㈱は、通信販売で展開しているユーグレナ健康食品の販売好調が伝えられており、製薬業界は同社の動向を注視している。

エーザイ 美容食を届出 武田薬品の動向に注目も

 エーザイが届け出たのは、コメ由来グルコシルセラミドを機能性関与成分とする小瓶型清涼飲料水(区分はサプリメント)。肌の潤いを逃がしにくくする機能を訴求するもので、商品名には同社医薬品の代表ブランド「チョコラBB」を掲げる。届出情報によると、販売開始予定日は10月1日だ。

 機能性の科学的根拠は、関与成分の研究レビューで評価。レビューは同社が「自らが実施した」といい、その上で妥当性の評価を第三者機関所属の医師らが行った。

 これまでに機能性表示食品の届出を行った製薬会社は、ロート製薬、小林製薬、大塚製薬、大正製薬、太田胃散などのほか、届出者を東洋新薬とする形でシオノギ製薬の子会社シオノギヘルスケアも機能性表示食品に参入している。

 「製薬大手はいつでも機能性表示食品を出せる」──。ある製薬業界関係者はこう語り、競合他社の動き次第で機能性表示食品市場への参入がさらに増える可能性もあると予測する。

 ただ、製薬業界では、機能性表示食品の捉え方に企業間で温度差があるようで、まだ様子見の姿勢は崩していないとも見られている。だが、潤沢なR&D資金力を持つ製薬大手の本格的な市場参入が増えれば、健康食品専業企業にとっては脅威となりそうだ。

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