抗HCVウイルス作用など発表 大和薬品がセミナー (2016.8.11)
大和薬品㈱(東京都世田谷区)は、米ぬか抽出エキス「バイオブラン」の新知見を紹介するセミナーを、7月31日、東京の住友不動産新宿グランドタワーで開催した。当日はバイオブランを利用するクリニックのドクターや、製品を販売する代理店など約100名が集まった。
講演では、UCLA Drew医科大学のゴーナム教授が、バイオブランがヒトのC型肝炎ウイルス(HCV)を有意に減少させた最新の研究結果を発表。HCV患者に1日1㌘のバイオブランを3カ月間摂取してもらった結果、摂取前に比べて有意にウイルス量が減少。その減少量は、ペグインターフェロンとリバビリンといった2種薬剤の併用群と同程度だったことを報告した。
また、その作用機序はNK細胞などから放出される非自己を破壊する酵素のグランザイムAやBを増やすほか、ウイルス増殖を抑制するインターフェロン産生能の向上作用などと示した。
一方、バイオブラン投与群では副作用は見られなかったが、薬剤投与群では発熱や貧血などの副作用が見られたことから、ゴーナム教授は「バイオブランは、安全で効果的にウイルスを減らすことができる方法だ。また、薬剤に比べて格段に安く利用できる」と、バイオブランの機能性以外のメリットを挙げた。
このほかゴーナム教授は、バイオブランが胃の腫瘍細胞をアポトーシスさせたラット対象の試験結果を報告。バイオブランを投与したラットの胃腫瘍細胞では、アポトーシス調節因子であるp‐53遺伝子やタンパク質のBaxなどが増加したことを明らかにした。
続いて講演した浜松医科大学講師の遠藤雄三氏は、バイオブランと免疫について説明するなかで、「バイオブランは身体を免疫寛容から免疫拒絶状態にして、腫瘍細胞を攻撃する」などとその作用メカニズムを説明した。
【写真=講演するゴーナム教授(7月31日、東京・新宿区)】