研究開発強化 新市場創出へ ファンケルが中期戦略(2013.11.21)
㈱ファンケル(横浜市中区)は14日、2013年度を初年度とする中期戦略(13年~15年)を策定した。サプリメントなど中高年層を軸とした製品展開を強化し中核製品へ育てるとともに、研究開発力を強化することで新たな市場の創出を図り事業基盤の強化を図る。今年度は「再成長のための準備、仕込みの年」として位置付け、15年度に連結営業利益率8%(12年度4.7%)を目指す。
同社では今年1月に創業者の池森賢二氏が会長に復帰、「3年で立て直す」ことを5月開催の新経営方針説明会で明言していた。先ごろ発表した台湾・シンガポールの小売事業撤退や赤字店舗の閉鎖など不採算事業を解消させる一方、店舗スタッフの専門教育強化や次世代経営層育成などを目的とした教育機関の開設、グローバル展開に向けた情報発信・収集基地としての旗艦店リニューアルなど、経営基盤の強化に取組んできた。
主力である化粧品事業では、無添加の独自価値の向上を図るために、製品ラインナップの強化やアンチエイジング研究などを推し進め、高齢化社会に対応した新ラインの開発を進める。もう一方の柱であるサプリメント分野では、発芽米の希少成分・PSGを配合した「発芽米パワーPSG」と、腰痛に働きかける「コシラックス」の2品を中高年層をターゲットにした戦略商品として育てる。同時に同社が商品コンセプトに掲げる「体内効率」「体内持続時間」に沿う新たな素材の開発も手掛ける。
製品とともに店舗事業も推し進める。化粧品、サプリメントそれぞれの専門性に特化させた店舗業態への転換を図る。
同日発表した同社の平成26年3月期の第2四半期決算では、売上高が前年同期比4.6%減の387億5200万円、営業利益が同15.6%減の7億1000万円だった。台湾・シンガポール事業撤退などで特別損失5億3700万円を計上している。