肝機能保護期待の新素材 蝶理が取扱開始(2013.11.21)
韓国ヤクルトらが開発した発酵昆布抽出物の日本国内向け販売を蝶理㈱ライフサイエンス部(東京都中央区)がこのほど開始した。韓国ではアルコールからの肝臓保護効果が期待できる旨の機能性表示許可を受けている素材。昆布抽出物を乳酸菌発酵させることで含有量を高めたGABA(γ-アミノ酪酸)を有効成分にしている。
韓国ヤクルト開発の健康食品原料を取扱うのは、発酵紅高麗人参に続き2製品目。同じく発酵カキ(牡蠣)抽出物を新たに取扱うことも検討中で、今後、消費者イメージの良い「発酵」を切り口にした素材提案を進めていきたい考えだ。
取扱いを開始した発酵昆布抽出物「KYFST」の韓国での採用実績としては、アルコール対応ドリンクのほか、脂肪蓄積抑制作用がin vitro試験で確認されるなどしていることからダイエット健康食品がある。また、GABAの機能性としてリラックス作用も知られるため、蝶理ではこの用途でも配合提案を進める。
同社によれば、同素材摂取に伴うアルコールからの肝臓保護作用は、韓国・東亜薬科大学が承認した二重盲検プラセボ対照臨床試験(男性48名)で確認。同素材を1日1.5㌘、4週間摂取した群(24名)は肝機能状態の指標となるAST、GGT、ALTの血中濃度がプラセボ群に比べて有意に改善したという。
韓国で販売されている同素材配合のアルコール対応飲料としては、東亜薬品の「モーニングケア」シリーズが有名。同社によると、「ほとんどのコンビニエンスストアで取り扱われている。このカテゴリーではトップブランドのひとつ」だとしている。
韓国ヤクルトでは開発原料について、韓国内で販売する自社製品に配合しつつ、国外に限り原料供給に対応しているという。乳酸菌発酵によりコンパウンドK含量を高めた発酵紅高麗人参が初の原料供給対応素材だった。発酵昆布抽出物については今のところ最終製品を発売していない。アルコールに対する機能性表示許可を得た、独自開発のケンポナシエキスを配合した商品が売れているためだとされる。