消費者委、制度運用状況を問題視 機能性表示食品(2016.9.20)
消費者委員会(河上正二委員長)は20日に開いた本会議で、制度施行から1年半が経過したのを機に、機能性表示食品制度の運用状況について消費者庁食品表示企画課長らからヒアリングを行った。委員会は、同庁が昨年度実施した、機能性関与成分の分析法や研究レビューの質に関する検証事業の結果や、それに対する同庁の対応を問題視している。
河上委員長は、「事後チェック機能が上手く働いているのかどうか疑問を禁じ得ない」と厳しい見方を示したうえで、同庁に対し、「体制整備を含めて速やかに(制度の)見直しが行われることを希望したい」と要望した。
消費者庁による検証事業では、結果として届け出られた研究レビューの不備が指摘されていたほか、買上調査で機能性関与成分が表示値を下回っていたり、逆に過剰に含まれるものがあったりする可能性も認められていた。
河上委員長は検証事業のこうした結果について、「表示値を下回っているのであれば食品表示法に違反している」と指摘。また、届出に不備のある可能性がある商品に「届出番号がすでに与えられ、市場にモノがあるというのは憂慮すべき事態」などと述べ、法的措置を講じる必要性を示唆しつつ、制度の施行状況に対する強い懸念を示した。
一方、食表課の赤﨑暢彦課長は、「問題意識は共有している」と繰り返し回答。「法律やガイドラインで定められた要件をクリアしていないとなれば、それは適正な届出とはならない」との認識を示した。しかし、同庁としては「そうなるかどうかは、きちんと事実関係を確認」する必要があることも再三にわたり説明。「今はいろいろなやり取りを(届出者との間で)行っているところ。具体的な対応が必要となれば、法令に則り対応する」などとして理解を求めた。