納豆 機能性表示食品化へ 農水省研究で有力候補に(2016.9.8)
「温州みかん」などに続く生鮮食品の機能性表示食品化として、納豆が急浮上しているようだ。農林水産省は生鮮食品の機能性表示食品化に取組む一環として、2016年度から「地域の農林水産物・食品の機能性発掘のための研究開発」(5年間、初年度約1億1000万円)をスタートさせている。
同事業は、生鮮食品の機能性表示のためのエビデンス確立や非破壊成分検査技術の開発、商品の普及策などを検討するというもので、茨城県産納豆、長野県産野沢菜、沖縄県産へちまなど5品目が、候補に選定されている。
既にコホート調査などを始めて知見の集積を進めているが、農水省によると、研究機関の研究により、選定された食品のうち納豆が機能性表示食品化の有力候補に浮上しつつあるという。脂質代謝に効果が期待される納豆に含有するγ‐ポリグルタミン酸が機能性関与成分となる公算だ。研究期間は5年のため、実用化まであと数年かかるが、同省では、確立すれば茨城県内で機能性表示食品として普及を図り、以後は全国に拡大していく方針だ。
生鮮食品は機能性関与成分の含有量が一定しない、季節ごとに生産量にばらつきがある、非破壊の成分検査方法がないなどの理由から、機能性表示食品化へのハードルは高いとされている。だが「機能性表示という日本独自の制度に対する海外企業の関心は高く、生鮮食品を機能性表示食品として日本市場に売り込む動きを見せている」(同省関係者)という。
同省では、農林水産物の高付加価値化の一環として、生鮮食品の機能性表示食品化に関する研究を急ピッチで進めており、ヒト介入試験ほか研究レビューの充実にも力を入れている。